社会人ドクターを検討されている方へアドバイス
社会人として働きながら博士課程に進むことは、大変な挑戦です。
一方で、キャリアアップや専門知識の深化、自己成長を目指す多くの方にとって有意義な選択となり得ます。
この記事では、社会人ドクターを目指す際に考慮すべきポイントやアドバイスを詳しく解説します。
1. 目標の明確化
社会人ドクターは、勤めている企業に貢献する技術を学ぶことを名目に進学することがほとんどです。
当たり前ですけど、企業のお金で大学に進学するので的外れな目的は許されないですよね。
したがって、この目標を明確にすること、社内でドクター進学の承認を得ることがファーストステップです。
なぜ博士課程に進むのか
まず、博士課程に進む理由を明確にしましょう。
キャリアアップのため、研究に対する情熱、または新しい専門分野への挑戦など、動機は人それぞれです。
この動機が明確であればあるほど、社内審査の通過率が上がるとともにドクター生活中の困難な時期にもモチベーションを保ち続けることができます。
2. 時間管理とワークライフバランス
スケジュール管理の重要性
社会人ドクターとして働きながら研究を進めるには、効果的な時間管理が不可欠です。
場合によっては、企業の仕事と大学での研究を両方こなすことが求められる場合があり、計画性がないと共倒れします。
日常業務、家庭生活、研究活動のバランスを取るためには、綿密なスケジュール管理が必要です。
仕事と研究の時間を明確に分け、優先順位をつけて取り組むことが求められます。
家族や同僚の理解と協力
社会人ドクターとしての道は、茨の道です。
なので、家族や職場の同僚の理解と協力も重要です。
研究に専念するための時間を確保するために、家族とよく話し合い、協力を得ることが大切です。
また、職場でも上司や同僚に自分の状況を説明し、必要なサポートをお願いすることも検討しましょう。
3. 研究テーマの選定と指導教員の選択
実務に関連するテーマの選定
多くの場合、実務と関連した研究テーマを設定し、それをもとにまず社内で審査に掛けられると思います。
企業で求められる社会に直結する技術とアカデミックな新規性を両立したテーマを考えることが重要です。
指導教員との関係構築
指導教員の選択も重要です。
研究に対する指導力や専門知識だけでなく、社会人ドクターとしての特別な事情を理解してくれるかどうかも考慮しましょう。
定期的なミーティングやアドバイスを受けられる関係を築くことが、研究の進捗に大きく影響します。
コミュニケーションの頻度と質
指導教員とのコミュニケーションは、頻度と質を重視しましょう。
定期的な面談を設定し、進捗状況や課題についてオープンに話し合うことが大切です。
メールやオンラインミーティングを活用して、効率的にコミュニケーションを取ることが求められます。
4. 自己管理とメンタルヘルス
ストレス管理
修士課程までのように教員の指示に従っているだけで卒業できるほど博士課程は甘くないのでよく病んでしまう人がいます。
働きながら博士課程を進めることは、精神的な負担がより大きいものです。
ストレス管理のために、定期的な運動やストレス発散の方法は何か持っておくべきです。
サポートネットワークの構築
同じように社会人ドクターとして頑張っている仲間や、大学のサポートグループに参加することも有効です。
同じ境遇の人々と情報交換や励まし合うことで、孤独感を和らげ、モチベーションを維持することができます。
旧帝大や大学院大学のようなドクター進学者が多い大学だと博士向けの交流イベントが定期的に開催されています。
異なる学部の人と話すと価値観が異なり、いい息抜きになりますよ。
専門家の支援を受ける
必要に応じて、カウンセラーやメンタルヘルスの専門家の支援を受けることも検討しましょう。
過度のストレスや疲労を感じた場合には、早めに対策を講じることが大切です。
最後に
社会人ドクターとして働きながら博士課程を進めることは、多くの挑戦と犠牲を伴います。
しかし、目標を明確にし、効果的な時間管理とワークライフバランスを保ち、適切な研究テーマと指導教員を選び、自己管理とメンタルヘルスに配慮することで、成功への道を切り開くことができます。
これから社会人ドクターとしての道を歩む皆さんが、充実した研究生活を送り、目標を達成されることを心より応援しています。